Focusrite Scarlett 3rd genのノイズ問題の対処法【トラブルシューティング】
この編集部で以前から使用している「Focusrite Scarlett (フォーカスライト / スカーレット)2i2 3rd gen(第3世代)」の調子が急に悪くなり、マイクで喋ると音切れやブツブツとしたノイズが入るなど、ひどい状態になってしまいました。
頻度は毎回ではなくてもノイズトラブルが断続的に続き、USBを繋ぎ直してもダメ。
初めはケーブルやマイクを疑っていたのですが、どうやら調べてみると海外の情報で最近のフォーカスライトのドライバーがなかなかの曲者のようで、パチパチ音や音割れなどのノイズが頻発するケースが珍しくないそうです。
今回は、「今まで使えていたのに…急にスカーレットのオーディオインターフェースの挙動がおかしくなったぞ」といったケースに対する、実際に試して効果があった対処法をまとめています。お困りになっている方にとってお役に立てば幸いです!
主に第三世代についてまとめていますが、第一、第二世代(G2)、第四世代(4th)や、Clarett(クラレット)シリーズにも共通する情報になっているため、少しでも参考になればと思います。
まず確認すること
ケーブルが抜けやすくなっていないか
実は、私もやってしまったのですが、特にTSフォンケーブルやTRSフォンケーブルの場合、機材によっては挿し方が甘くなったりして抜けやすい状態になってしまい、音切れやパチパチ音のノイズが発生することがあります。
特にマイクプリアンプやコンプレッサーなど、アウトボードを繋いでる場合は、ケーブルを挿し直すことでノイズが改善することがあるため、一度確認してみることをお勧めします!
端子はたまに柔らかい布で拭いてあげると、接触不良の防止にもなります!
また、ケーブルのコネクタとジャックには相性もあり、稀にこれが原因でノイズを発生することがあります。実は私も相性由来のノイズを経験しています。特に海外製と日本製では、計測法がミリとインチという違いがあり、こういった相性もあるのだとか。対策法としては、別のケーブルに変えてみる、またはケーブルのコネクタを逆に入れ替えてみる(TS⇔TS、TRS⇔TRS)と、実はこれでノイズがピタッと治ったことがあります。
コンデンサーマイクの場合は、”結露していないか”
寒い時期の場合、防湿庫から出したばかりのマイクはキンキンに冷えていて、そのまますぐファンタム電源を入れて使用すると、パチパチ音や風が吹いている様なノイズを発生させることがあります。
また、湿気は故障の原因にもなるため、寒い時期は、マイクを一旦常温に置いておいてから使用しましょう。夏場の場合は、エアコンなどで除湿してからマイクを使用することがお勧めです。(日本の夏は本当に過酷ですよね……。)
マイクに息を吐きかけた時にノイズが出る場合は、マイクが湿気に反応している疑いが高いです。まずマイク本体を柔らかい布で拭き、すぐにシリカゲルと一緒に休ませるか、防湿庫にしばらく入れましょう。
ケーブルが結露していないか?(特にTS、TRSフォンケーブル)
これも筆者が経験したノイズなのですが、冬の時期に、オーディオインターフェース内部の熱で、キンキンに冷えているTRSフォンケーブルが結露して、接触不良のような音切れノイズを発生することがありました。通常、普通にオーディオインターフェースを使用している場合は、そこまで心配は入りませんが、オーディオインターフェースにカバーをしていたり、排熱が悪い環境で使用している場合は要注意です。もしこのようなノイズに遭遇した場合は、一度ケーブルを抜き、柔らかい布で拭いてから、しっかり挿し直します。
USBの電力が不足していないか
実はUSB-AをPCに繋いでる人は、PC側の電力が不足してしまうことがあります。
プツプツと音切れしてしまう場合は、セルフパワー対応(電源アダプター付き)のUSBハブを使用すると、オーディオインターフェースの動作が安定します。
USBバスパワー駆動のオーディオインターフェースは、パソコンのUSBポートからの給電では電力が足りなくなってしまうことが多いんですよね。特に省エネモードにしている場合や、ノートPCは要注意です。
私が経験した時も電力が足りず、セルフパワーのUSBハブにオーディオインターフェースを繋ぎ、それをPCに繋いで問題なく使用できています!
また、オーディオインターフェース側(USB-C)からPCのUSB-Cポートへ繋いでる場合は、電力に余裕があり安定しやすいです。
もし、お使いのPCがUSB Type-Cのポートがついてる場合は、一度試してみると良さそうです。
ドライバーが問題!?
上記のようなケーブルやマイクの問題ではない場合、ケーブルの断線やマイク、オーディオインターフェースの故障を疑う前に、まずオーディオインターフェースの「ドライバー」の問題を確認してみましょう。
調べたところ、”ドライバソフト”が原因になっているケースがとても多いようです。というのも、Focusrite control <3.6.0>以降、<3.18.0>など最新のバージョンは、バグが多く報告されているためです。
ドライバー問題の対策法
ドライバーをインストールし直す
一時的なドライバー不具合の場合、これで改善することがあります。
また、「No Hardware Detected(ハードウェアが接続されていません)」と急に表示されたり、音が出なくなってしまった場合にも有効です。
私は、Macでメンテナンスソフトを使用した時に、このようなケースに遭遇したことがあり、ドライバーを入れ直すことで改善しました。
ドライバーをダウングレードする
私は<v3.18.0>でバリバリ音のノイズと音切れや音割れが発生していまい、一旦公式からダウンロードできる<v3.6.0>の方にダウングレード(バージョンを下げる)しました。これは効果てきめんで、それによって症状は全く出なくなりました!
また、古いドライバーのままで調子が悪くなっている場合は、逆にアップグレードで改善する場合がありますので、一度アップグレードをお試しください。
ドライバーをアップグレードする際は、元のバージョンも保存しておこう
今までは、私もあまりドライバーのバージョンについて考えることもなかったのですが、バージョンによって不具合が出たりするケースもあるため、最新のものに更新する時などは以前のバージョンのインストーラーを保存しておくことがお勧めです。
なんとなく「最新にしたほうがいいのかな?」と思ってしまい、最新でもバグが起こりうることを忘れてしまう……。考えてみれば、機器のバグについては新旧関係ないものでコレって結構盲点ですよね。PCとの相性や環境もあるので、ドライバーの更新は慎重なくらいが良さそうです!
まとめ
今回、スカーレットのノイズ問題に遭遇し、私なりに調べて対処できたため、同じように悩んでいる方が「本体の故障かな?」と買い替えを検討する前にぜひ確認していただけたらなと思い、投稿させていただきました!
(文・構成/J)
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